太田裁判があけたパンドラの箱


 1998年、富士スピードウエイで事故が起き太田選手が重傷を負い裁判となり、2003年秋に一審判決が出た。判決は富士スピードウエイ等主催者側の敗訴であった。事故の概要と裁判の経過は[980503富士事故裁判]資料集 インデックスをご覧頂くとして、ここでは本判決をもとに、アマチュアモータースポーツやOFF会等自動車趣味に与える影響について考察したい。この裁判はトッププロの世界で起こったもので、素人には無関係・対岸の火事と決め込む性格のものではない。自動車趣味に与える影響も極めて大きいのだ。例えばOFF会での車両誘導中に何らかの事故が起こったとしよう。この判例をもとに考えると、場合によってはOFF会等の主催者側は極めて厳しい(不利)な状況になるのだ。本企画では『素人の我々にとってこの判決がどういう意味を持つの・どうなるの・どうすりゃいいの』について考えていく。
 なお法治国家日本では、裁判所の下した判断が最も正しいとされる。この企画では本判決を絶対に正しいものと仮定して考える。もちろん各人で本事件や本判決に対するいろいろ思いや考えはあるだろうが、各人の考えの根拠となる本事件の証拠がだれでもいつでも見られる状態にない。そのため「思い」「推察」についての議論になってしまい収集がつかなくなるだけなので、その点は注意していただきたい。
 なおこの裁判は高裁へ上告され、現在審議中である。言い換えると結審していないため、絶対に正しいわけではない。


判決の争点と考え方
判決要旨全文とその構成
原告・被告双方の主張および契約書
判決文の解説