まとめ


 いろいろな考え・経験・立場の違いにより、思いはまちまちだと思うが、私なりの結論をまとめる。皆さんの考えをまとめる上での参考にして欲しい。

1.覚悟のない人間はサーキットなんか走るべきではない
 そもそも趣味の車に乗ること自体、覚悟が必要である。これについては手を変え品を変え、当HPで喧伝していることでもある。AZ−1等の場合、その一環でサーキットを走行しているはずなので、覚悟はできているはずだ。覚悟があれば、無理矢理にでも自分を納得させる・諦めがつけられる(後悔はすると思うけど)。悪く言えば泣き寝入りであるが、自分自身・被害者・加害者にとって最も負担の少ない方法である。

2.レーサーは、裁判でまず勝てない
 本事案に関する原告の過失割合から考えると、怪我した当事者のみの過失は非常に大きいと裁判所が認定している。よって通常の事故の場合、レーサーは裁判でまず勝てないと考えた方がいい。こんな状況下での裁判は自分の損害を広げ、不用意にオフィシャルを傷つけるだけなのでやるべきでない。このことは本稿で十分にわかるはずだ。

3.自分なりの適切な判断を下せ
 本稿を読んで走るのが恐ろしくなりサーキット走行をやめようと思ったなら、それは賢明な判断だと思う。臆病者だと誰も言わないだろう。しかしこれを読んでかつ、走ることの覚悟・明確な目的・主義・スタンスも無いのにまだ走ろうというものは、愚か者として非難されるべきだろう。だから、私はファミリー走行等以外の走行会などには出ないのである。


 あとは感想だが、イラク戦争での日本人人質事件の際、「自己責任」という言葉が飛び交った。「危険だから行くな」と言っているのに無視して言って人質にとられてもやむなしという考え方である。この判決が人質事件以降に出されていたのなら、判断が変わったかもしれない。



 次回は、FISCO側についた弁護士と対談した内容、即ちアマチュアのモータースポーツにおける誓約書の有効性、この判決からだけでは読みとれない裁判の真相、本裁判を通じて考えられる裁判を起こされないための誓約書の条件、高裁での和解についてお伝えする。