筒内観察装置とその原理
今回、産業創造研究所とシグマ(株)が協同で新開発した、筒内観察装置を特別に使わせてもらうことができた。この装置はシリンダー内面などの筒内に傷や汚れなどがないかを調べるものだ。最大の特徴は、サンプルを固定したまま計測できる点である。普通の装置はサンプルの方を回転させる必要があるのだが、この装置はレーザーを出すヘッド部分が回転させて計測するのでサンプルを回転させる必要がない。
この写真が装置本体である。非常にシンプルで軽い。
矢印の部分が回転ヘッドだ。ここがクルクル回る。
矢印の部分からレーザーが出て、その反射光などを計測し傷や汚れを観察する。
実際にレーザーが出ているところ。ヘッドは回転したまま自動的に下にさがっていき、筒内全域の計測が完了する。その時間、たったの数秒。
これは制御用パソコンの画面。白黒の画像がモニターに写っているが、これが内面を観察した画像である。
矢印の部分に白いものが写っている。実はこれが傷なのだ。
傷の部分はグラフの線が急に下がったり、あがったりすることで判別できる。
以上のような装置を用いて、16万5千キロ走ったエンジンのシリンダー内面を計測してみた。