シリンダーの内面観察

 本邦初公開、F6Aのシリンダー内面である。この装置はできたばかりだから、スズキでさえ絶対に見たことのない絵だ。結論から言うと問題なし。ただ、通常のエンジンに見られる「クロスハッチ」が全域で観察されないほど摩耗していることが分かった。傷もほとんどなし、鋳物のすでも見えるかと思ったが、それも見られなかった。


1番のシリンダー




2番のシリンダー




3番のシリンダー



 以上で今回の分析を終了する。今回非常にミクロに観察してみた。SEMだのEPMAだのを趣味の車の世界に持ち出したのは、私が初めてではなかろうか(笑)。しかしこんなことはどうでもいいことで、肝心なのは各人の持ち合わせている技術を使い行動し、得られた結果を将来に反映させることである。それが私の場合、たまたまSEMであったというだけだ。うだうだすることが、自動車趣味ではない。
 まとめると、メタル以外問題がなかったということである。おそるべしF6A、普通に使っていればまだまだもつ。くどいようだがメタルが死ぬとクランクシャフトまで死んでしまうので、くれぐれも気を付けよう。タイミングベルトの交換のついでに換えておくのがベストだと思う。


 そうこうしていたら、今度は9万キロ走ったエンジンのオーバーホール後のパーツを手に入れることができた。このエンジンは正常であった。今までは壊れたエンジンをみてきたが、正常なエンジンの部品は本当に正常に機能していたのだろうか。また正常であったとして、あとどの位で壊れそうなものなのだろうか。また今度検証していきたい。