クランクシャフトオイルシールのSEM観察

 早速分析を開始した。トップバッターはクランクシャフトオイルシールだ。このオイルシールは、全く同じものがカムシャフト部分にも使われている。しかし、クランクシャフトはカムシャフトの2倍回転するので(どのエンジンも同じ)、クランクシャフトのオイルシールで問題がなければ、カムシャフト側でも問題ないと推定できる。またオイルシールの状態が確認できれば、オイル漏れを起こす懸念のある部分でかつ再生産が可能かどうか微妙な部品が1カ所つぶせるので、今後部品の備蓄等対応を検討する上で参考となる。

 下の写真はクランクシャフトオイルシールをデジカメで接写したものだ。矢印はクランクシャフトともろに接触している部分である。目視の結果摩耗が進んでいるようにもみえるが、SEMでもっともっと拡大したらどのようなことがわかるのだろうか。




 SEMでは下の写真の部分をみた。内側・外側の意味だが、内側とはシリンダーブロック内部側つまりオイルが充満しているところ、外側は外気と触れる部分だ。





 最初に1の部分を低倍率で見てみた。ちょっとコントラストがきつい(←へたくそ)んだけど、よしとしよう。中央部分に筋が見えるが、これはオイルシールにもともとある山になっている部分だ。全体的にいうと、特に傷が入っている様子はない。経年変化によるゴムの割れなども見られない。




 次に2の部分を見た。これは山と山の間の部分で、クランクシャフトと直接接していない部分、つまり新品に最も近い部分であると考えられる。




 以上のことをふまえ、他の部分をみてみると・・・