ギヤの錆発生メカニズム、その2
仮組したギヤを正面から見てみる。
これに、水の浸入源となったと考えられるシフトユニットを組み込むと、下の写真のようになる。
上と下の写真の矢印部分は同じ場所である。
以上を見るだけで、シフトユニットから水がしたたると、ギヤの上に水がかかるということがわかる。
一方、ミッションオイルの存在により錆の発生が抑えられる可能性も考えられる。が、ミッションオイルの油面を考えると、それは期待薄となってくる。下の写真は、ミッションオイルの油面の高さを示す物だ。なぜこの位置に油面があると言えるかというと、ドレンプラグの高さと一致するためである。赤い部分が油面を示す。
すると、インプットシャフトはほとんどミッションオイルに浸かっていないことがわかる。矢印部分のギヤが特に錆びやすい理由がわかる。
以上の説明だけでは、シフトユニットの穴の下に位置するギヤのみが錆びることになる。実際にはギヤ全体がそれなりに錆びているのだが、その説明がつかない。それを説明可能とするのが、下の部品。シフトレバーの動きに応じて、ギヤの位置を変える部品(ギヤシフトフォーク)だ。AZ−1の場合、大小3つある。
ギヤをはずした状態にして、これらの部品を仮組してみる。上から水がしたたり落ちたら、これらの部品を伝わって、ギヤ全体に水が広がっていくことがわかるだろうか(5速を除く)。
以上がギヤが錆びるメカニズムである。