真っ赤なファミリア、内装その2

 インパネ助手席側には、小物をおけるような台があり、実用的な作りになっている。



 ルーバー。開閉レバーやデフロスタも付いている。



 ここまではオーソドックスな作りであるが、高級品がついていた。電動リモコンミラーである。
 余談ながら、画面右上にあるオイル交換時期ステッカーのさらに右上に小さな蓋があるのがわかるだろうか。インパネを固定するためのネジの頭を隠すための蓋だ。AZ−1にも同じ機能を持った蓋が付いている。AZ−1のインパネの取り付け方法は、この時代までさかのぼることができるんだ。同機能の蓋は、AZ−1と同期の丸いキャロルでは見られない。もちろん、ペルソナでも見られない。



 電動リモコンミラーは今では当たり前の装置であり、またスイッチも左右共通で1つとなっている。が、当時は高級品。左右でスイッチが独立したジョイスティックのようなものが付いている。この電動ミラーはバッテリー直結となっており、キーが抜かれた状態でも作動した。このファミリアは「前期型の後期」のため、後で追加設定された機能なので、ハーネスの取り回しの都合上、そうなったものと思われる。
 この手の快適装備の装着、例えばやたらたくさん並んでいるワーニングのインジケーターやパワーウインドウなどは、マツダは他社より遅れていた。ようやく追いつけるかどうかの時期あたりに作られたのが、真っ赤なファミリアだったわけである。



 フロントシートはオーソドックス。



 リアシートはコーナー部分が丸くなっている。前回紹介したペルソナのインテリアイズムを彷彿とさせるが、偶然の一致である。ストラットタワーが車室内からモロ見えにならないようトリムを設計した結果の姿である。また5ドアハッチバックがほとんどとなってしまった現在、見ることの無くなった構造でもある。



 フロントのドアトリム。シートトリムと同じ柄のものが、リアから続いている。「人肌の触れる部分が全面的にビニール」という安っぽさがないのがいい。といいつつ、この点もマツダは他社より遅れていた。



 時代の変化を感じさせる小物が、ドアトリムの足下にあるポケット。現在の物と比較するとかなり小さい。理由は2つある。1つは当時地図が入るサイズであればよかったこと、2つめ当時ペットボトルが存在していなかったことだ。
 現在の車にはナビが付いているため、基本的に地図を入れる必要がなくなった。であれば無くしてもよい機能といってもよいのだが、今度はペットボトルが普及した。そのため、現在ではポケットの大きさが拡大している。



 最後は意外な内装。天井が黒いのだ。最近のマツダ車では、再度天井が黒くなり始めつつある。原点回帰なのだろうか。



 次頁ではエンジンルームを見ていく。