点火用信号をひろう、その2

 簡易的な実験なので、ダイレクトイグニッションコイルを車室内においた。電源はバッテリーから直接給電した(よい子は20Aぐらいのヒューズをかまそう)。



 なおこの仮組状態では、純正のイグニッションコイルが生きている。そのため、ダイレクトイグニッションコイルで火花を飛ばすのと平行して、純正のイグニッションコイルでエンジンを回す事ができる。
 その際のイグニッションコイルテスターの様子。火花が飛んでいることが確認できた。アクセル開度にあわせて、火花の点火スピードも変化していく。



 ということで、ダイレクトイグニッションコイルとデスビ中央の端子をハイテンションコードでつなぎ、エンジンをかけてみた。すると、エンジンが不安定ながらもかかった。が、いくらたっても安定しない。アイドルもだめ、アクセルをふかしても高回転まで回らない。これでは使い物にならない。信号電圧が2Vなので、信号を拾ってくれる時と拾わない時があるようだ=火花が飛ぶときと飛ばない時がある。その様子は動画で。




 そこで12Vの電圧が出ているET424のコレクタ(中央の端子)から信号を取ることにした。が、ダイレクトイグニッションコイルの駆動信号の入力電圧は5Vということになっている。これを超えると、まずいことが起こるらしい。



 そこで、12Vの電圧を5Vに変換すべく三端子レギュレーター(7805)を使うという、実に頭の悪いやり方を選択した。三端子レギュレーターは、もともと一定電圧に変換するためのものだ。パルス信号の電圧を変換するためのものではない。



 頭の割やり方がたたってか、スターターを回したとたん一発で壊れた(笑)。5V出ていたはずの電圧が、何度三端子レギュレーターを交換しても7Vとか0Vになってしまい、すぐにエンジンが止まってしまう。一瞬、エンジンは動くんだがなあ。



 やむなく、もっと頭の悪いやり方を使った。手持ちの抵抗を組み合わせ、12Vが5Vになるよう分圧したのだ。抵抗が3本並んでいるが、その後ろにある三端子レギュレーター等のパーツは使っていない。基盤の余った部分を使うという超適当なやり方だ。12Vが5Vになるような抵抗の組み合わせは、オームの法則を使って自分で計算してみてくだされ(簡単に答えを書くと、5kオームと7kオームの抵抗2本で作れる)。



 すると、問題無くエンジンが始動した!  抵抗で分圧する方法だと、スターターが回るときの一時的な電圧降下によって、ダイレクトイグニッションコイル駆動用の信号電圧が5Vより低くなるため火花が飛ばない=エンジンがかからないのかと思っていたが、なんとかなった。その様子は動画で。




 気になるのが点火進角だが、純正イグニッションコイルを使った時と全く同じで問題無かった。調整する必要があるとしても、微修正で済むだろう。