ダイレクトイグニッションコイルの端子配列の見方

 一連のテストで使用したコイルの端子配列は全て同じだった。が、別のコイルでは異なる可能性が否定できない。そこで各端子の抵抗値を計測し、どの端子が何なのかを見ていく。抵抗値自体は各コイルで異なるが、抵抗値の比較で端子配列を推測することはできると思う。

 この図は、ダイレクトイグニッションコイルの模式図。



 この図を見る限り、黄色の線で結ばれた部分の抵抗値は、限りなくゼロに近いはずだ。



 実際に測定してみると、2.6Mオームから無限大の抵抗値を示す。単純に導通しているわけではない。



 端子間の抵抗。左側と中央の端子、即ちイグニッションコイル作動の信号入力端子とアースの間の抵抗値は1.1kオームだった。



 右側と中央の端子、即ち+12Vの電源端子とアースの間の抵抗値は28.5kオームだった。



 右側と左側の端子、即ち+12Vの電源端子とイグニッションコイル作動の信号入力端子の間の抵抗値は29.6kオームだった。



 以上の抵抗値は、コイルによって異なる。実際、ホンダのダイレクトイグニッションコイルでは、抵抗値が異なっていた。が、抵抗値の傾向は同じだった。どの端子が何に該当するかを判別するには使える方法だ。



 ダイレクトイグニッションコイルに置き換えることで発生電圧は高くなり、また副作用はあるもののエンジンは動くことはわかった。F6Aのダイレクトイグニッション化を検討している人は、効果の事前検証を行うやり方として使える方法だと思う。

 ダイレクトイグニッションコイルの話は一旦おしまい。次回は、イグニッションコイルの1次側の電圧を5V〜18Vまで変化させることで、2次側の発生電圧がどのように変化するのか検証していく。1次側の電圧は通常12Vだが、これを18Vに上げると計算上は2次側の電圧も上がる(≒パワーアップに繋がる??)。それを検証するのだ。