世界の変態プラグ

 世界にはいろいろなプラグがある。ここで紹介するのは、すべて自動車のエンジン用だ。

 BRISKというチェコにあるメーカーのプラグ。



 なんじゃこりゃ、という形をしている。4方向に火花が飛ぶと考えられる。



 実際に試してみた。確かに4方向に飛ぶが、均等には飛んでいない。


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 このプラグ、F6A用もラインナップされている。型番はBOR12LGS。人と違うプラグを付けてみたいという人はどうぞ。その効果のほどだが、ロードスターでは走りに変化は見られなかったそうだ。


 日本を代表する変態プラグがロータリー用のプラグ。写真はレーシングプラグだ。どう見ても13B等のチューニングエンジン向けなのだが、10Aのノーマルエンジンのコスモスポーツに取り付けたところ、高回転がだめだったとのことで(高価なプラグではあるが)不要品として頂戴した。よくみると、飛火ミスが起きている。やはり飛火ミスが起こると、エンジンを問わず調子が悪くなるようだ。


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 スプリットファイヤー。既に製造終了となっているプラグである。矢印部分を見るとコルゲート(ぎざぎざ)がない。接地電極はY字型になっている珍しいプラグでもある。謳い文句は「三次元爆発」。Y字型の意味は、プラグがかぶっても火花が飛びやすくするためとのこと。が、そんなわけがないのは、火花を飛ばした動画を見ればわかる。キャブ車時代の想像の産物だろう。



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 天下ののNGKも、ロータリー用以外に変態プラグを出している。中心電極に切れ目が入っているグリーンプラグだ。中心電極の外周よりでスパークするため、電極の消炎作用が少なく着火性が向上するとのこと。中心電極に90°の溝加工をして、火花が飛びやすくなっていると説明されているが、下記動画を見る限りでは、飛びやすくなっているという感じは見受けられない。



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 多極プラグ。デンソーのK20TNRだ。このプラグは2極だが、メーカーによっては3極や4極もラインナップされている。多極化の目的は、火花が落ちるところを分散させて耐久性を上げるとのこと。が、よく見ると、特段の付着物もないのに矢印部分にリーク跡が見られる。耐久性以前にプラグの基本性能がダメ。



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 「♪吹けば飛ぶようなスパークプラグに、かけた命を笑わば笑え〜」というプラグ職人が想像力を働かせ、ライバル商品との差別化をはかるため、さらには自動車会社からの無理難題を実現するために作ってきたと思われる変態プラグたち。では、現代のエンジンに求められている本来のプラグの性能は何なのだろうか。パワーアップなのだろうか。最後にそれを明らかにしたい。