故障原因の推定、その2

 このエンジンには、もう1つの特徴があった。ガスケットが抜けていたのである。



 これはガスケットをはがすときに付いた傷などではなく、シリンダーヘッドをはぐった状態で既に抜けていた。以前起こしたというオーバーヒートが原因と考えられる。



 いただいた部品をみて推察できるのは以上まで。ここから先は、実際にエンジンを開けてみた人でないと推定できない。実際にエンジンを分解したkaedeさんに、2つのパターンを考えていただいた。

パターンその1
これはSBKさんにお伝えしたパターンですが、後からパターンその2の気もしてきました。
・ガスケット抜けにより1番シリンダに冷却水が漏洩(もしかすると充満?)
・年間1000km以下にする為長期間エンジン始動せず
・前回エンジンを止めた時点でたまたま1番シリンダの吸気バルブが開いた位置で停止
・漏洩した冷却水によりバルブとガイドの油膜切れ
・エンジン始動するも問題のバルブの動きが悪い※ (実はバルブがわずかに曲がっていた)
・ピストンがバルブを軽く突いていた可能性有り※
・ロッカーアーム、カムシャフト及びバルブトップのクリアランス過大によりロッカがずれリテーナを叩く※
・コッタはずれてリテーナがカバーを突き破る



パターンその2
・前回エンジン停止時1番吸気バルブ開いた位置で停止
・長期間エンジン始動せず
・問題のバルブのラッシュアジャスターの油圧が抜け更に固着
・ロッカーアーム、カムシャフト及びバルブトップのクリアランス過大によりロッカがずれリテーナを叩く
・コッタはずれてリテーナがカバーを突き破る
パターン1の場合、※印の順番が分かりません。 パターン2の場合、ラッシュが沈んだ状態で固着したら低回転時にも大きな音がしているはず、聞いた限りでは低回転時は異音は無かったとの事。リテーナを叩くぐらいのクリアランスができるかも不明ですし・・・パターン1とパターン2が同時かもしれません。
 とのことだった。


 なお今回のトラブルに直接の関係はないが、シリンダーヘッドの2番のプラグホールにクラックが入っていた。いずれもエキマニ側のバルブに発生していた。