AZ−1とワゴンRの燃料ポンプの中身を比較する

 写真は、全て右側がAZ−1用である。

 インペラだが、直径は同じ、ブレードの数も同じだった。AZ−1のは軸が出っ張っている点が唯一の違い。



 燃料ポンプの底。ほとんど同じ。



 底部本体側。これもほとんど同じ。AZ−1の方には、中央にシャフトが付いているが、これはローターのシャフトである。



 ローター。色が違うが見た目は同じ。



 では故障原因と思われる箇所を見ていこう。それはコミュテータ−面。右側がAZ−1のものであるが、正常品だったワゴンRのものと比較すると黒ずんでいる。つまり接触不良が疑われる。



 斜め横から見ると、もっと凄いことが。AZ−1の方が、コミュテータ−の削れ方が激しい。



 ちなみにAZ−1、ワゴンRとも、ブラシの残量はあった。写真はAZ−1のもので、分解するとき誤って折ってしまった。



 つまり、作動不良の原因はこうだ。
1.通電しているブラシとコミュテータ−の間をガソリンが通過する。
2.スパークが出る(空気が無いので引火はしない)ことにより、一部がカーボンとなる。
3.生成したカーボンが堆積し導通不良の原因となる。
4.コミュテータ−が摩耗することにより、ブラシを抑えているバネが伸びる。その分、ブラシとコミュテータ−の密着力が落ちる。
5.最終的に導通不良に陥る。
 ではなぜコミュテータ−が削れていくのか。それはタンク中に発生した、ストレーナーでは取り除けない細かい錆が「切削粉」となったことが原因であると考えられる。


 原因がわかったところで対策を考えると・・・
燃料ポンプは非分解であり、完全な消耗品なので定期的に交換するしかない。
最近の故障頻度を考えると、走行距離にもよるが全車交換するのが無難。
ポンプの寿命を延ばしたい人は、燃料タンク外側からでかまわないので、強力な磁石を貼り付けて
ポンプがサビを吸いにくくする。


 AZ−1とワゴンRの燃料ポンプはほとんどそっくりだったが、性能差があるのか次頁で検証する。