夜間走行

 日が暮れて、ライトオンのサインが出た。いよいよ12時間弱の夜間走行が始まる。なおサーキットには観客用のスタンド以外に照明がないため、スタンドから離れているコースでは車のライトのみが頼りになる。そのため各車とも強力なライトを装着している。写真でライトが非常に明るく写っているのはそのためだ。



 完全に日が落ちたサーキット。テールライトの明かりが引いていく。



 このころになると、各車とも調子がおかしくなってピットインする車が目立ち始めた。あきらめているチームから必死になって直しているチームまで様々だ。



 トラブルが起きたのはAZ−1も同じ。まず夜中の1:00頃、57号車がマレーシアチームの車に追突されてしまった。前を走っているマレーシアチームの車には注意できても、後ろを走っている車には注意できない。明るくなって撮影した57号車の後方部分。大きく凹んでいるが、一応走行には差し支えのないダメージだったのが幸いだ。



 夜中の2:00頃、55号車はピットでドライバー交代をしたあとに給油場所に向かった。給油要員が給油場所で待機していたがなかなかやってこない。すると給油場所の入り口に向かう、とろとろ走る車を発見。しかも途中で停止してしまった。ライトの形からAZ−1みたいなので近づいてみると、55号車がガス欠で止まっている。猛ダッシュで車をおして給油場所まで向かった。夜中の車を押しての猛ダッシュはきつい!



夜中の給油場所


 がんばっているのはエントラントだけではない。オフィシャルも夜通しでがんばってくれた。私は夜中の22:00頃に一旦サーキットを出て、ドライバーの奥さんたちをクアラルンプールのホテルまで送迎する役目を仰せつかった(片道約45分)。ホテルからサーキットに戻る際、タクシーの運転手はサーキットに到着したものの、いつもとは違う門に入ってしまった。するとK4-GPでは全く使用しない門にオフィシャルが2名詰めていた。我々が知らないところでもスタッフ総出でがんばっていたのだ。



 あと夜間だからこそ見える耐久の激しさを物語る一枚を・・・ピット入りした直後の車だが、排気管が真っ赤になっている。



 再びサーキットに日が昇る。スタートから約18時間が経過した。18時間と聞くと長いと思われるかもしれないが、あっという間である。