カペラ、エンジンと内装

 キリが悪いのでエンジンと内装を一緒に紹介する。まずはエンジン。縦置きだ。このカペラはFRの2ドアハードトップという、これまた現在の日本の車ではあり得ないような構造になっている。
 キャブなのでインマニのサージタンクも見られない。本当に簡素に見える構造だ。



 縦置きエンジンのため、結構隙間が多い。この隙間はヘッドライト裏。横置きのFFならば、エアクリーナーか、ラジエターのサブタンク、はたまたヒューズボックスなどでひしめき合う部分なのだが・・・古き良き時代がもたらす余裕。



 ここからは一気に変わって内装について紹介する。詳細にみていくと面白い発見もある。



 メーター。これまたオーソドックスなスタイリング。注目して欲しいのはオドメーター。10万キロの桁がない。当時の車が想定していた耐久性を物語る部分だ。ちなみにAZ−1のオドメーターは10万キロの桁があるが、同時期に生産されていたスズキのアルトなどは10万キロの桁がなかった。スズキは軽自動車が10万キロを超えて走行するなどはなから考えていなかったようなので、当時のスズキ製エンジンの耐久性はこんなものだということに十分留意しておく必要がある。



 センターコンソール。ラジオはFMもついている。



 注目して欲しいのはカセットデッキ。さすがに8トラではないが、カセットの操作スイッチ(というよりレバー)の形状が面白い。例えばイジェクトするときは、レバーを押すのだそうだ。



 時代により高級車の装備は変わる。例えば現在ではパワーウインドウや電動リモコンミラーは当たり前についているが、昔の車ではパワーウインドウは高級車の装備であった。メーカー・車種・仕様設定の考え方の違いにより一概にはいえないのだが、高級装備の順位をこのカペラから探っていこう。
 下の写真は電動リモコンミラーのコントローラーを写したもの。その左にあるのはトランクオープナーだ。しかも電動オープナー。



 ドアをみると、パワーウインドウではない。高級装備の順位は、電動リモコンミラーよりもパワーウインドウの方が上だったことが伺える。確かに必要なモーターの出力・使用するモーターの個数を考えるとパワーウインドウの方が上だということは順当であると言える。が、それにしてもトランクオープナーがワイヤーではなく電動である点がすごい。



 次頁からは、目玉である2ドアハードトップの構造に着目していきたい。