ロングシャフトのワンオフ制作のポイント

 シャフトのワンオフは簡単そうにみえるが、実は1カ所加工の難しい点があった。それは矢印部分の切り込み。



 一見すると、単に切り込みが入っているようにしか見えないが、実は微妙な角度がつけてある。この角度をつけて切削するのが難しかったとのこと。ここには何の役割を持っているのかよくわからない部品が取り付けられる(走行中にシフトをリバースに入らないようにするための部品??)。



 下の写真に2本シャフトが写っているが、これらはいずれもアルトのシャフトである。矢印部分の部品の形状が異なっていることがわかるだろうか。つまり、量産途中で形状が変わったのだ。



 上の写真の部品は、例の切り込みのところに付いている部品である。この部品は左右に少しだけ動くようになっている(切り込みに微妙な角度が付いているため)。なぜ部品の形状が変わってしまったかというと、簡単に加工できるようにするためと思われる。

 写真右側のシャフトを反対方向からみると、こうなっている。切り込みがなくなった代わりに、ノックピンが入っている。若干左右に動かすための切り込みの微妙な角度は、取り付けてある部品で対応するように変更されたわけだ。





上が量産初期のアルトのシャフト、下が量産途中に変更されたシャフト




 ではこの切り込みがないと(部品が付いていないと)どうなるか試してみた。一番上がAZ−1のノーマルのシャフト、中央がノーマルのシャフトのみ、下がワンオフで作ったノーマルのシャフト無しである。矢印部分を見てもらったらわかるとおり、切り込みがなく当然部品もない。



 切り込み無しのシャフトを車に取り付けたところ、普通にシフトチェンジできた。異常な使い方をしなければ、この切り込みがなくても問題ない。


 次頁からは、シフトユニットについている小部品の互換性検証を行う。