言論の自由がないはずなのに・・・

 言論の自由の無いこの国で、かなり危ない記事を見つけてしまった。各国歴代首脳の乗った車の紹介である。



 まずは中国の威信「大紅旗」。写真で見ると普通のセダンに見えるが、実物はトラックにセダンの箱がついたくらいの大きさがある(私は中国共産党の入っているビルの中で、通常は一般公開されていない大紅旗を特別な計らいで至近距離からみたことがあるのだ)。そりゃ天安門広場をパレードするのに使う車である。少々大きいくらいでは、テレビ写りが悪すぎる。よって大きいのだ。最新型はA、Bピラーが非常に大きいことがわかる。これは厚さが10cmはあるであろう防弾ガラスをはめているためだ。この防弾ガラスは大紅旗と一緒に展示してあった。ただ撮影禁止だったため写真に納めることができなかったのが心残り。



 美国(アメリカ)の車。ボンドカーばりの解説もあった。



 これはフランスの車。シトロエン製だということは形からみて間違いないが、かなりしょぼい。時台が異なるとはいえ「大紅旗」と比べると大きさ的に見劣りする。



 ここから先はちょっとまずいんじゃあないの、と思わせる写真を。天皇陛下が乗られる車が紹介されている。しかも菊の御紋付き。中国で菊の御紋を見せるのは、フランスでナチスのハーケンクロイツを見せるのと同じような気もするが・・・



 トヨタのセンチュリーとある。センチュリー=世紀なので、そのまんまだ。



 さらにまずいと思わせるのが、蒋介石の乗っていた車を紹介している点だ。台湾の大統領が乗る車として紹介するのは、「1つの中国」という原理原則を崩すことになる。編集長が粛正されてもおかしくない内容だ。だいじょうぶなのかこの記事は。



 ありきたりの新車紹介が中心の中国の自動車雑誌の記事の中で一番面白そうな物を紹介したつもりなのだが、いかがだっただろうか?