中国自動車雑誌のコンテンツ

 中国の自動車雑誌には、いったいどんなことが書いてあるのかと思ったら・・・意外にも実用的な記事が多かった。例えば、ヘッドクリアランスなんかが書いてある。これはどの雑誌にも共通している。



 あとF1やらWRCの記事。



 取り上げている車はほとんどが外車(中国現地生産の車も含む)。言論統制のひかれているこの国で、共産党も絡んでいたりする純中国企業の車についてあれこれ書くことは、国家反逆罪に値するので記事にするのを避けているのだろうか?


 アフターパーツ類の広告は少ない。下の写真は唯一見つけたカーナビの広告。一番最初のレポートでも書いたとおり、中国でナビを見ながら運転するなんてことは不可能だ。だからナビは売れない。売れないから広告も少ないのだろう。



 そんな状況であえて出すのがG-BOOKの広告。中国では無意味な機能だ。



 掲載されている日本車の広告。日本人でも買うのに二の足を踏んでしまいそうな車の広告が目立つ。





 ちなみに・・・もう廃刊となったNAVIなどでよく見られた、高級時計とか万年筆など車とは関係ない製品の広告は存在していなかった。この点はよかった。ここから先は中国の人に向けてではなく、日本の自動車雑誌に向けて言っていることなのだが、うんちくは知っていても真贋を見分ける力量や修復する技術を持たない編集が、高級時計とか万年筆の広告を出すのはどうも腑に落ちない。



 前回、中国のアニメ雑誌について紹介した。それと中国の自動車雑誌を比較すると、自動車雑誌の方がはるかに見劣りする内容となっている。とにかく、自分から得ようとするものではなく他人(自動車会社)から与えられたもの(新型車)について淡々と書いているだけ。アニメ雑誌はわざわざ日本まで出向いていろいろやり、意味不明の日本語を必死こいて理解しようとしているのに、自動車雑誌ではヘッドクリアランスの比較とかカタログスペックの紹介とか、だれでもできるようなことだけを記事にし、それが仕事だと思っている。しかも言論の自由すらないくせに、車なりなんなりまともに設計・製造する力量もないくせに、ちゃんとした車に対してあれやこれやと書いている。中国の自動車雑誌の編集の人は、ひょっとするとアメリカとか日本に住んでいた経験があり、車に対してそれなりの心得があるのかもしれないが、誌面を眺めていて実に片腹痛い。「仕事とは締め切りに追われること」だと勘違いしている日本の趣味系自動車雑誌の悪い部分をそのまま持ってきたような作りだ。

 以前、「世界レベルで比較すると、日本のモータージャーナリズムは敗北を喫しているのではあるまいか(特に趣味系自動車雑誌)」と書いたことがあるが、さすがに中国にはまだ勝っている。でも中国のアニメ雑誌には負けている。