なぜミッション内に錆が発生してしまったのか
当たり前のことだが、ミッション内にはギアオイルが入っている。オイルは漏れないようになっている。錆が発生するということは水が入ったということだ。オイルが漏れないということは、水など入り込む余地がないはず。なぜ錆びてしまったのだろう??
結論からいうと、この車はエンジンフードがはずされたまま長期間雨ざらしになっていた。どうやらシフトコントロール部のオイルシールから水が入ってきたようなのだ。
理由は2点ある。一点目。水は下側に落ちていくため、下にある部品ほど錆びやすいはずだ。ところがこのミッションは下側よりも上側の方が錆が激しかった。下の写真では、矢印部分が上側にあたる。
2点目。シフトコントロール部のカバー裏にある鉄製部品の錆びが激しいこと。下の写真の中で、上に写っている写真がそのカバー。
このカバーの頂点にはオイルシールがある。ここをシフトコントロールのシャフトが貫通しているのだ。
どうもそのオイルシールから雨水が入ってきたのではないだろうか。
下の写真はシフトコントロール部のカバー裏にある鉄製部品。完全に錆びている。ミッションオイルに水が混ざったとしても、こんな高い位置にある部品が錆びるはずがない。
錆発生の原因メカニズムについてはこれでおしまい。肝心のシフトコントロール部の錆だが、これも真鍮ブラシで錆び取りを行った。やはり痘痕が出来るほど腐食が進んでいた。
これが使えるかどうか、微妙だなあ。実際、オイルまみれになる部品なので、滑れば(引っかかりが無ければ)大丈夫とは思うのだが。原料は単なる丸棒なので、丸棒さえあれば同じ物を旋盤・フライス盤で再生産することも可能なので、気にしないことにしよう。
教訓:エンジンフードが開きっぱなしになった解体車のミッションは、水が入って錆びている可能性がある。