AZ−1のミッションが入らない原因、その2

 これ、インプットシャフト側。1と2の頂点部分はこれ以上接近することはない。実際、どうやっても接近しない。




 問題となるカウンターシャフト側。インプットシャフトと同様、1と2の頂点部分はこれ以上接近するはずがないのだが・・・




 なんと、カウンターシャフト側のみ、1と2の頂点がぴったりと合うところまで接近してしまった。これでは1が飛び出たときに2のシンクロナイザーリングの頂点とぶつかってしまう。つまりシンクロナイザーリングが横にスライドすることができず、1と2が噛み合わない。AZ−1の1速と2速が入らない原因は、これだったのである。




 わかりやすくするために分解してある部品を使って説明する。左ががシンクロナイザーハブ、右がシンクロナイザーリングだ。




 通常、頂点同士がぴったり合っていないためシンクロナイザーリングが横にスライドしながら噛み合っていく。









 ところが、AZ−1のカウンターシャフトのギアの場合、頂点同士がぴったり合ってしまってこれ以上動かない。本来変速しやすくするために存在するシンクロナイザーリングが、変速を妨害していたのである。なんと間抜けな。




 何が原因でこんな間抜けなことになるのか、また対策方法について次頁で説明する。