シリンダーブロック、その1

 ヘッドをはぐってシリンダー内を見たところ。




 ピストンにはカーボンがそこそこついていた。




 シリンダーの壁面を見ると、何故かクロスハッチが見えている。21万キロ走行したエンジンだよ。これはいったいどういうことだ??? やはり奇蹟というものは存在するのか!? シリンダー内径を測定したところ、限度が65.070mに対し、実測値が65.01mm〜65.02mmと限度内だった。テーパーの振れなどはなかった。




 オイルパンをはぐるため、シリンダーブロックをひっくり返した。するとまたしてもとんでもないものを発見してしまった。液体ガスケットの色がノーマルと違うのである。下の写真に2つ矢印があるが、ボルトを指している矢印にはオレンジ色の液体ガスケットの残りカスがついている。これがノーマル。一方下の矢印で示すガスケットの色は白い。このエンジン、ヘッドのみならず、腰下も分解歴があった。要は全部オーバーホールしてあったのだ。




 下の写真はオイルポンプを撮影したところ。2つ矢印がついているが、ここには本来スタッドが立っている。それが無い。ますます、訳の分からない度が増してきたエンジンだ。




 本来の目的である劣化度合いについて見てみよう。オイルパンをはぐってもスラッジなどなかった。オーバーホールしてるのだから当然か。




 ストレーナーにもスラッジはなかった。




 21万キロの奇蹟が見られないことが決定的となり、なんか残念に思いつつ解析を進めていったのだが、我々の目を覚ますもっと驚ろくべき事実が待ち受けていた。次頁で紹介する。