シリンダー
ヘッドをはぐってシリンダーをみてみた。ピストンの頭が真っ黒である。

う〜ん、カーボンが思いっきりたまっている。オイル漏れ防止添加剤の影響だろうか。オイル漏れ防止剤の添加履歴が明確になっているF6Aを分解すると、今のところ100%の確率で、ピストンに大量のカーボンがついている。ピストンの詳細については次頁でお伝えする。

と、その前に、シリンダーヘッドとシリンダーを留めている8本のシリンダーヘッドボルトの締め付けトルクを計測してみた。その結果、尋常ならざるトルクで締め付けられていた。
| 1 | 2 | 3 | 4 |
IN側 | 100Nm以上 | 80Nm | 85Nm | 95Nm |
EX側 | 計測できず | 計測できず | 計測できず | 90Nm |
マニュアル記載の締め付けトルクは59Nm。
「計測できず」とは、トルクレンチの設定値以下で回転したため計測できなかったので、このように記載した。なおこの実験に使用したスナップオンのトルクレンチは、締め付け方向のトルクの誤差は5%だが、ゆるめる方向のトルクに関しては15%の誤差がある。
シリンダーをみてみよう。クロスハッチはなんとか見えるレベルだ。

ボア径を測定した結果、上死点側、中間点、下死点側とも同じ値であり、テーパーの振れは見られなかった。またボア径は限度内だった。
マニュアル記載のボア径限度は65.070mm。
ストレートエッジでシリンダーの歪みを計測してみた。計測すると言っても、ストレートエッジとシリンダーの隙間にシックネスゲージを差し込んでみるだけなのだが。測定の結果、なんら問題はなかった(隙間自体できていなかった)。


オイルパンをはぐってみた。これまたきれいなものである。

が、ストレーナーに何かついている。

スラッジらしきものだった。こんなきれいなエンジンの中にもスラッジは存在するんだ。
