スタート!

 練習走行が終わり、各車一斉にコースイン。ピットウォール側に車を並べ、K4-GP恒例の変則ルマンスタートに備える。




 ここでまた、くどいくらい紹介しよう。栄光のゼッケン55を背負うTWR零号機である。F6A 658cc 3気筒エンジン。787Bは4ローターロータリーエンジン。排気量を比較するといかにも心許ないが、ル・マンの歴史をひもとくと意外にも800cc以下のエンジンで走った例がたくさんある。特に1950年代くらいまでは、そんな小排気量の車が頑張っていたのだ。決して無謀ではない。これから先の24時間ちゃんと走りきってくれ。
 基本的に24時間エンジン回しっぱなし、ということは今までやったことがない。恐らく24時間走りっぱなしというのは当のスズキもやったことがないだろう(多分)。未知への挑戦だが不思議と妙な緊張感はでない。油断は禁物だが、1度セパンを経験した者の余裕だろうか。




 変則ルマンスタートとは、ピットウォール側に並べた車両にむかってスタンド側に並んでいる人が走り、車にタッチしたらスタートする方式だ。車にタッチしたかどうか不明確になりがちなため、下のステッカーが車に貼られた時点でスタートとなる。




 モニターにも各車が並んでいる様子が写っている。スタートまであと4分だ。




 事故を防ぐため、スタート直前は全員がピットに待避させられた。コース上に残っているのは、ドライバーとスターター要員だけだ。本当は近くで見たいのだが、がまんがまん。




 14:00になりスタート。各社一斉に走り去っていく。ゴールまで残り24時間だ。24時間とは、6時間×4という感覚なのか、8時間×3という感覚なのか、それとも24時間は24時間でしかないのか誰一人として分からない。




 最初の1周だけはペースカーが入り、追い越し禁止。ストレートに戻ってきたところでペースカーがピットロードへ入りグリーンフラッグが振られて各車の競争が始まった。