セパンの夕暮れ

 「腹が減っては戦はできぬ」というわけで、ガソリンが無ければ車は走らない。ここで給油場所について紹介しよう。
 今回はピット内での給油は禁止であり、最初の100L(車のガソリンタンクに入れられた量を含む)はスタッフのいるスタンドで、それ以降の200Lはドラム缶から各自で注ぐことになっていた。

 これがスタッフのいるガソリンスタンド。といっても車を乗り付けたら給油してくれるわけではなく、各人が持っているガソリン携行缶に注いでもらうシステムとなっている。




 各車両ともガソリンタンクの容量が違うため、何リットル注いだかスタッフがチェックしていくのだ。




 ガソリンはシュコシュコポンプで注いでいく。これが見た目よりもはるかにきつい作業なのだ。スタンドのスタッフの皆さん、お疲れさまでした。それが証拠に写真左の矢印の部分に写っているシュコシュコポンプの山を見よ。注ぎ過ぎて壊れてしまったポンプの屍である。




 写真の広場がガソリンスタンド。場所はコースから出たところにある。本来はエントラント用の駐車場か、車検場になるところではないかと思う。所々にテントらしきものが見えるが一体何かというと・・・




 ドラム缶の日よけだった。あまりに熱いため日よけをしておかないとドラム缶の中のガソリンが加熱されて、蓋を開けたときに飛び出る恐れがあるためだ。ドラム缶は各チームに1本用意されており容量は200L。シュコシュコポンプを使って各チームで注いでいく。




 各車とも順調に周回を重ねていくうちに夕方になってきた。夕方といえばスコールの時間だ。前回はほんとうにひどいスコールだった。雷はバンバン落ちるし。その悪夢再来か、何やら怪しげな雲が出てきた・・・




 と思ったら晴れてしまい、結局24時間の中で一度も雨は降らなかった。雨が降ってくれたらレース展開が変わったと思うのだが・・・




 現地時間18時30分時点での結果。TWR零号機は総合16位にある。まずまずの位置だ。




 セパンの夕暮れ。次に太陽を見るまで、何台の車が持ちこたえているのだろうか。ル・マンでは多くの車が夜明けまで持たない。自分たちは絶対に大丈夫だという根拠のない自信と、他のチームから先に脱落していくはずだ思う邪(よこしま)な希望的観測が交差する。





 今回はこれでおしまい。次回は24時間耐久の花形(?)、夜間の様子について報告する。