ジネッタG4、その2

 マフラーが横から出ている点も渋い。丸目2灯のフロント、ロングノーズ、サイドだしのマフラーという構成をみると、ACコブラのように見えなくもない。おちょぼ口だけど。





 マフラーの話が出たところで、エンジンを見てみよう。エンジンは、フォードのゼーテックというエンジンに変えられていた。ゼーテックは直4のDOHCで、マツダの車で言うとトリビュートに搭載されているエンジンだ。
 ジネッタは1960年代に一旦生産が中断されたが、1990年に再生産されたと聞く。エンジンからして恐らく再生産後のものと思われる。





 当然ながらゼーテックはもともとインジェクションのエンジンなのだが、この車の場合はキャブレター(weber)に変えられていた。車に味を求めるのならキャブも選択肢の1つだろうが、純粋に走りを求めるのならインジェクターの方が絶対にいい。オーバーフローしないし、なによりレスポンスがいい。
 ジネッタの標準のエンジンはもともとフォードのKENTエンジンというものなのだが、KENTエンジンのネジ穴の位置はゼーテックとのネジ穴の位置と一致するため、ゼーテックが乗せられるというわけ。要はポン付けでエンジンスワップができるということ。ポン付けエンジンがAZ−1にもあれば・・・と思ってもどうしようもない。





 内装を見てみよう。1枚もののインパネに高いセンタートンネル。AZ−1にないものばかり。渋い。





 デカイサイドシルはAZ−1と同じ。しかし高くない。ジネッタは非常に車高が低い(AZ−1と同じくらい)のだが、ドアは見てのとおり普通に開くタイプなのでサイドシルの高いAZ−1よりも乗り降りしにくい。





 窓。というより蓋。まさにチケットウインドウ。





 1/4回転で全開となる窓。AZ−1でさえ、レギュレーターハンドルを1回転させねばならないというのに。ジネッタにはエアコンが付いておらず、しかもこれだけしか窓が開かないのだったら、夏に乗ると死んでしまう・・・はずなのだが、屋根をとりはずしてオープンカーになるのだ。これだったら日焼けするけど死ぬほど熱くなることはない。