3代目

 この時代の1つのポイントは、オーナメントに車のグレードを示すプレートが貼ってあった点だ。現在では、せいぜい排気量表示程度しか見られないグレード表示だが、当時の車はラジエターグリル等の目立つ場所に貼られていたことがわかる。現在の車でグレード表示が無くなった理由は、ユーザーからのクレームである。「自分が安いグレードに乗っているのがバレるからやめろ」というものだった。



 排ガス規制が入ってきた時代。ホンダがCVCCで、マツダがロータリーでマスキー法をクリアしたと宣言したときのトヨタの狼狽ぶりは、子供ながらに覚えている。「文字通り不眠不休の努力がつづけられた」と書いてあるがちゃんちゃらおかしい。自戒を込めて言おう。自らの怠慢を回復する不眠不休の行動は努力とは言わない。自業自得という。

 トヨタでは技術的には、触媒、サーマルリアクタ、CVCC(ホンダから特許を購入)の3つを取り組んできた。当時のトヨタ車のリアには「TTC-*」というバッジが貼ってあった。なお展示車両にはTTCのバッジが貼られていないものだった。恥隠しの意味を含んだ選択なのだろうか?


 ここで「カローラリフトバック」が登場。あまり語られることはないが、現在のRV車の原点である。ワゴンの方が荷物が積める、という今では当たり前の発想が取り入れられた車だ。これを境に、クーペやセダンが追いやられていく。