ケーターハムスーパーセブンとWeberキャブレター

 オールグリーンのケーターハム。オーナー氏は今回初参加である。





 エンジンはBDRと呼ばれるタイプ。スーパーセブンのいわば標準エンジンはKENTエンジンと呼ばれる1600〜1700CCのOHVだ。これに対しBDRはDOHC。しかもBDRはOHVであるKENTのシリンダーブロックを使用し、ヘッドを変えてDOHCにしているのだ。F6AのようにSOHCがDOCHになるよりも変態的ともいえる。




 DOHC化で1つの疑問がわいてくる。OHVはカムシャフトがシリンダーブロックの中に入っているのだが、DOHC化することでもともとのカムシャフトは不要になるはず。どうなっているかというと、カムシャフトが「ジャックシャフト」と名を変えて入っているのだ。何をするためのシャフトかというと、デスビを動かすためにだけ存在するシャフトである。カムとしての機能はない。長さは元々入っていたカムシャフトと同じ。なんだかな〜。


 潤滑系統はドライサンプに変えられていた(矢印部分)。ドライサンプと聞くと、何か「乾燥したオイルの粉末を散布する」みたいに聞こえるが、全然違う。簡単にいうと、矢印で示したタンクにオイルを詰めておいて、それを循環させるのだ。メリットはオイルパンが薄くなることでクリアランスが稼げるようになること。デメリットはコストが高くなる点。ドライサンプに対し、オイルパンにオイルをためておく通常のエンジンの潤滑系統はウエットサンプとも呼ばれる。





 キャブはウエーバー。輸入車では最もメジャーなキャブだ。





 ウエーバーには「対策品」と「未対策品」の2つがある。何を対策しているかというと排ガス対策だ。下の写真の矢印が付いている部分がそう。通称「角付き」とも呼ばれるこの部分のネジをゆるめるとキャブの中に空気が入る。そうすると酸素濃度が上がるため、触媒をつけたときHCとCOが燃えやすくなる。車検はHCとCOが燃えてしまえばOKなので、排ガス対策になるというわけ。





 じゃあ未対策品はどうなっているの、という話になるのだが、未対策のウエーバーを積んだ車が来ていた。次頁で紹介する。