本HPで目指すもの


 手を変え品を変えて言うが、本HPの目指す上位概念、会社で言うなら経営理念を一言でいうと「努力・実践・勝利」である。もう少年ジャンプのパクリである(笑)。努力とは自己研鑽、実践とは臆することなく挑戦し実行すること、勝利とは自己研鑽と実践によって得られた結果=進歩である。なおジャンプでは「努力・友情・勝利」となっているが、ここでは友情のパラメータはあえて削除している。感情が入り込むと、もめる原因となるからだ。もちろん人間である以上感情のパラメータを完全になくすことは不可能だが、ある程度切り離して物事を進めることは可能である。また切り離して考えていかないと、例えばAZ−1を所有していることが共通項となっているだけの、単なる仲良し共同体となりかねない。仲良しであるということを裏返すと、嫌いになったらそれまでである。このような脆弱な状態でよいはずはなく、これでは進歩しない。残念なことだが、実際に他の趣味の車の実体を見ればわかる。
 以上は最も概念的な話で具体性がないので、本HPの目指すところを具体的にみてみよう。それはもう何度も出てきた『旧車の犯した過ちを繰り返さないシステムの構築』である。旧車の犯した過ちとは、長年古い車を持っているのはいいが、それだけの時間があったにも関わらず部品も修理ノウハウも構築せずにいたために車を腐らせることをいう。童話のアリとキリギリスでいうところの、キリギリスである。アリ=努力・実践・勝利だったら何かしら堅苦しさがある。確かに同じことを小学生にいうのだったら息苦しさを感じるだろう。小学生に言うんだったら「合理主義・効率主義なんぞは捨てちまった方が車人生倍も3倍も楽しい」(←この表現はパクリです)と言うのが適切かもしれない。しかし車を所有するとなるとほとんどが成人である。アリにはキリギリスにないおもしろさがあることを知っている(はずだ)。それは成長過程を通じて得られる達成感である。このことについて長々と書くと新興宗教・怪しい自己啓発セミナーの領域にはいってしまいかねないので私は書きたくないのだが、一言だけ付け加えさせてもらうと面白いと感じるマンガには、この成長過程が書かれている。要はマンガに書かれている構造をそのまま自動車趣味に当てはめてしまえばいいとも言える。そう考えると、何ら堅苦しい話ではない。
 以上の話を少し違った角度からみてみる。旧車や趣味の車がだめになった理由の1つに、活動レベルがマズローの欲求段階説でいうところの第一段階、せいぜい第3段階で止まっているということがあげられる。お食事会ばかりやっている、即ち生理的欲求である食欲を満たすことから脱却できていない。これでは絶対に成長しないし、得られた結果は見ての通りである。本HPではそれを避け、努力と実践を通じて第4段階・第5段階を目指すということである。
 マズローの欲求段階説とは、心理学者のマズローが提唱した人間の欲求に関する理論のことである。人間の欲求は5段階のピラミッドのようになっていて、欲求は底辺から始まり、1段階目の欲求が満たされるともう1段階上の欲求を目指すというもの。ピラミッドは底辺から、1)生理的欲求、2)安全の欲求、3)親和の欲求、4)自我の欲求、5)自己実現の欲求で構成されている。1・2は人間が生きる上での基本的な欲求のことで食欲や性欲、物欲・金銭欲がある。3の親和の欲求とは他人と関りたい、他者と同じようにしたい、集団に帰属したいという欲求。4の自我の欲求とは自分が集団から価値ある存在と認められ、尊敬されることを求める欲求のこと。そして5の自己実現の欲求とは、自分の能力、可能性を発揮し、創造的活動や自己の成長を追求する欲求である。もちろんピラミッドの頂点に近づくにつれて高度な欲求となり、人間として目指すべき欲求ともいえる。





 ではこのシステムを、第4段階・第5段階をどうやって目指すのか、そのツールについて言及したい。が、特別なものではなく、よく用いられているものだ。

 簡単に書くと以上だ。このツールを用いて各人の持つ課題の解決のための努力をし、解決策を実践することで成長・進歩する。その成長過程が面白いのであってOFF会での人付き合いだけが面白いのではない。解決された課題をノウハウとしてHPで広く公開することで多くの人の役に立ち、旧車の犯した過ちを繰り返さない、これがマズローの言うところの欲求の第4段階・第5段階に相当し、本HPではそれを目指す。何かこう書くと特別なことをやっているようにも見えるがそうではない。偉そうにいうほどのものでもない、ごく普通に行われていることである。しかし現在の自動車趣味では行われていない。なぜ行われていないのか、理由については次ページ以降を見ていただければおのずとわかると思う。

 私自身はこのツールを持つことが自動車趣味を続けていく上で最も重要な要素であると考えている。つまり、モータースポーツ、ドレスアップ、改造云々とカテゴリーはいろいろあるが、その何れにも共通して必要であるということだ。その理由だが、このやり方は全てのカテゴリに共通して使える課題解決手法であるため、これが出来る人は「なぜ成長・進歩せねばならないのか」という理由付けが自然とできるようになるため、それゆえにドライビングフォースが働き実行力が出るためだ。現に当HPで実践している人もたくさんいる。だからこそAZ−1は発展してきたし、多くの人に情報が還元できたのだと思う。HPを運営している者として、これほどうれしいことはない。しかし、全ての人が理解できているわけではない。この成功事例を他の趣味の車に広げるには大きな無理解の壁がある。これについて次頁以降述べていき、無理解の壁を取り除く一助としたい。なお、すべての人に理解してもらえるというつもりで書いているわけではないし、理解することと同意することは別の話である。