争点7がアマチュアに適応された場合の解釈
「争点7」を自動車趣味に適応した場合どうなるか、それを再度おさらいすると(コピペ)・・・
「その結果、重大な結果を伴う事故が生じた場合でも、経済的利益は取得しつつ一切責任は負わないという結果を容認することになり、これが著しく不当・不公平であることは明らかである・・・」
とあり、結局契約の効力はないとつながっていく。
これを単純に反対解釈すると、経済的利益を求めないのなら、著しく不当・不公平とは言えない、という話になる。クラブ単位の走行会やOFF会で一山当てようという人はほとんどないし、利益が出たとしても微々たるものであるから、著しく不当・不公平とは言えず、私的自治の原則に基づき契約は成立し事故が起こっても原告には損害賠償請求権が存在せず主催者が責められることはない、という話になる。ほんまかいな。
というわけで、「ほんまかいな」の部分を判決文をもとに弁護士相談してみた。結果は・・・
わからん!
その理由は、判決が確定しておらずまた類似の判例がないからだそうだ。恐らく、どんなに優秀な弁護士に相談したところで、この答えは変わらないだろう。ただし、いくら経済的利益を求めないとしても重大事故が発生した場合はただでは済まないと考えられるそうだ。判決要旨では明らかにされなかった第2の理由からも責任回避手段を構築できない。う〜ん。責任をおわされたくなかったら何もするなということか??
ただ、この判決はぎりぎりの妥協点の産物ではあるまいか。「経済的利益は取得しつつ一切責任は負わない」の反対解釈、つまり「経済的利益を求めないのなら、著しく不当・不公平とは言えない」と解釈できる余地を残してくれたのは、自動車趣味に適応した場合のことを考えてくれたものだと思いたい(希望的観測)。このあたりの裏話的部分が東京地裁に保管されている公判記録の閲覧で明らかにすることができるかと期待していたのだが、だめだった。
裏話といえば、こんな話がある。被告(レース主催者側)の証言で「契約内容が気に入らないのなら来るな」との旨の発言があったそうだが、これが裁判官の心証を著しく悪くしたというのだ。「気に入らなければ来なければいい」という言葉は裁判官からすると被告が無責任な態度を示していると見えたのかもしれないが、他にもたくさんのレースが存在し、またそられの選択肢を競技参加者が自由に選べる以上、主催者としては全くあたりまえの心情なわけである。この程度の(歯に衣着せぬ)証言で心証を悪くされては、レース主催者側からみると運が悪かったとしかいいようがない。ちなみに、日本の裁判制度には自由心証主義というのがあり、裁判官の気分次第で法律解釈を変えることができる、超新感覚な裁量権がある。