怪しい解体屋

 出品者のパソコンの調子が悪くなり一時連絡が途絶えたというトラブルもあったが、落ち合う場所と時間をなんとかすり合わせて、現物を引き取りに兵庫まで行った。場所は加古郡。それ以上のことはわからない。解体屋に着いてみると、ここが実に怪しいところであった(いい意味で)。


 まず店の名前を書いた看板がない。電話番号も教えてくれないし、名刺もくれない。電話番号はないしょだという。自動販売機があったが、コーヒーやジュースに混ざってビールまで売っており、店のオヤジは朝からビールを飲んでいた(このオヤジが出品者ではない。その親戚がオヤジの代理で出品していた)。周りを見渡すと牛もいた。なんと怪しい店。しかしである、この怪しさが信じられないような奇跡を生む土壌となっていたのだ。これについては後述する。