ピストンの状態
取り外したピストンとコンロッド。
ピストンとコンロッドのセットの質量は、3セットともほぼ同じになるよう調整されている。そのため、一部が削られているのだ。
ピストンとコンロッドを分離した。
ピストンをみて初めて気がついたことがあった。オイル穴が1つのタイプと2つのタイプがあるんだ。
当然ながらピストン内部のオイルラインも違いがある。
パーツカタログを調べたところ、ピストンの部品番号に変更はなかった。ここまで変わっていて部品番号を変更しない、もしくはパーツカタログに反映させないことはスズキではよくある話。こういうことにコストはかけない主義なのだろう。なので現場現物で見て初めて実体がわかることは珍しくない。
なお、クランクシャフトのキャップはシリンダーブロックと同一個体のものを使わないといけないと書いた。ピストンやコンロッドについては別々のものを組み合わせても問題無い。従って1つ穴のピストンと2つ穴のピストンが、1台のエンジンに混在していても問題無い。恐らく、ピストンとコンロッドのセットの質量合わせのために、最適なピストンを選定した結果だと考えられる。質量合わせの詳細については、別途紹介していく。
次頁では、シリンダー内径をみていく。