オルタネーターから出力される電流などの測定
木の板に種々の計測器をガムテープで貼り付けた。
下の写真で説明すると、左から連成計、タコメーター、電圧計、電流計(クランプメーター)である。連成計は大電流が流れた場合のエンジン負荷を見るため取り付けたが、結果的に変化がよくわからなかった。
問題はタコメーターで、3気筒用の設定がないものを使用している。そのため6気筒用で計測しているので、この値を倍にすれば、3気筒エンジンのrpmとなる。が、このときピックアップの調子が悪く、全然うまく測定できなかった。エンジン回転数が上がっているかどうかの判断だけに使用して欲しい。
電圧計はバッテリー電圧を測定している。この値が12Vを下回ると、オルタネータの使用限界を超えている(バッテリーが充電できるほど発電していない)と考えてもらってよい。そして最後はクランプメーター。オルタネータからのみ発生する電流を測定する。
エンジンは基本的にアイドリングで回している。電気的負荷が高くなったとき、回転数を上げている。
電気的負荷だが、次の順番で増やしている。
1.ECUや燃料ポンプの駆動に必要な基本的負荷
2.↑+ヘッドライト(ハイビーム2灯)
3.↑+ブロアMAXスピード
4.↑+ラジエター電動ファン
5.↑+熱線
ここまでが、AZ−1が必要とする最大電流と考えてもらって良い。
そして、追加の電気的負荷としてH4バルブを1つずつ点灯していく。1回テストが終わるとバッテリーを充電し条件を整えてから、次のオルタネータのテストに入る。
これら一連の流れは10分以上の長さの動画でまとめている。あまりに長いので適当に飛ばして見ていただくとして、その前に計測値の見方を解説する。
下の写真は50A純正三菱オルタの評価結果。まずアイドル状態で「1.ECUや燃料ポンプの駆動に必要な基本的負荷」のみの場合。電圧は14.4Vあり、電流も7.5A程度だ。
アイドル状態で「ヘッドライト、ブロア、電動ファン、熱線」のスイッチをいれた時の電流値。28A程度しか流れていない。ちょっとキャプチャし忘れたが、エンジンを吹かすと40A程度まで増える。つまり、アイドルでは十分な電力がまかなえず、足りない分はバッテリーから補っているということになる。
さらに最大負荷であるH4バルブを6ヶ点灯させたところ。定格50Aに対し49A、さらにバッテリー電圧は11.7Vになっていることから、オルタネータの使用限界を超えている状態にあるといっていい。
H4バルブをOFFにし、ヘッドライトなども全てOFFにした時のアイドル状態が下の写真。バッテリー電圧は13.5V、電流は17Aほど流れていることから、H4バルブの点灯でバッテリーから持ち出した電力を補うため充電状態に入っていることがわかる。
逆に言うと、評価初期とテスト終了後の電流値や電圧値がほぼ同じであれば、電気的負荷を増やしてもオルタネータのみで電力をまかなえるということになる。
H4バルブを点灯させたらこうなる。
次頁では、65Aオルタ、80Aオルタを見ていく。