スパークプラグテスターと実車で試す

 13万キロのプラグを、以前作成したスパークプラグテスターを使って評価した。接地電極が摩耗しているため、火花が斜めに飛んでいる。



 参考までにDCP7EVX。ちゃんと火花が飛んでいる。



 ここで軽トラを使って実験をおこなった。3本とも13万キロ品に交換、即ち1本は異常品に交換した場合と、3本とも正常品(現在軽トラについているプラグ)に交換した場合でのエンジン回転数を比較して見た。エンジンは既に暖気完了後である。
 まずは3本とも13万キロ品に交換した場合。



 次に3本とも正常品(現在軽トラについているプラグ)に交換した場合。



 アイドルの回転数を注意深く見ると、13万キロの方が100rpm程度低くなっている。なお実際に走行してみた際にパワー不足を感じたとかそういう印象はなかった。ただ、エンジン冷間時始動性が若干低下したようにも思えた。



 ここでプラグを十分に冷やした後、改めてスパークプラグテスターを用いて検証してみた。
 まず13万キロの正常品。スパークプラグテスターのスイッチを入れたと同時に火花が飛び始め、スパークプラグテスターのスイッチを切っても火花は徐々に小さくなってくる。



 一方で異常品。スパークプラグテスターのスイッチを入れてもなかなか火花が飛ばず、飛び始めても弱々しい。そのまま火花を飛ばしていくと徐々に音が大きくなってくることがわかる。ちゃんと火花が飛び始めた証拠だろう。
 スパークプラグテスターのスイッチを切ると、今度は瞬間的に火花が飛ばなくなった。ちなみにテスト直後に絶縁抵抗を測定すると無限大だった。その際のプラグの温度は常温だった。なんかよくわからん。



 こんな火花の飛び方が、エンジン回転数を若干低くする原因となっていると考えられる。よく、スパークプラグの異常状態として、プラグギャップが広くなっただの、電極が摩耗しただのと言われているが、それは全く関係無い。というのも、接地電極を完全に削り落とした「疑似沿面スパークプラグ」でちゃんと火花は飛ぶし、エンジンもかかり普通に走れるためだ。

 現実的なスパークプラグの異常とは、絶縁抵抗の低下によるスパークミスではないかと想像する。プラグに問題があるのではないかと疑われる事象が発生した場合は、絶縁抵抗を一度測定した方がいいかもしれない。