水はここから入ってきた!

 前頁で述べた「シールから水が入ってきた説」を、水没車のミッションに当てはめるとうまく説明ができない。最大のポイントは、砂とその位置である。仮にシールが弱いとしても、水とともに砂が入ってくるほどガバガバな隙はあいていないのだ。仮にシールから水と砂が入ったとしたら、砂はもう少し広く分布してもいいはずだ。が、そうなっていない。



 念のため、シャフトの部分を確認しても、そんなに錆びていない。シールから水が入ったとすると、シャフトが錆びていてもおかしくないからだ。



 いよいよ結論。写真の穴から水が入ってきたと断定する。



 この穴と、砂の位置関係は見事に一致している。この穴の真下に砂が溜まっている。



 同様に、この穴の真下に砂が溜まっている。



 そもそもこの穴は何をするものなのかよくわからない。ミッションが熱くなったとき、膨張した空気を逃がす穴ぐらいしか考えつかない。またこの穴は、AZ−1だけでなく、普通のアルトのミッションにも存在する。どうもなくてはならない穴らしい。



 水が入ってきた経路がわかったところで、水没車のミッションの解析を終了する。それにしても、意外なところから水や砂が入ってきたものだ。