その他の箇所、その2
クラッチを見てみる。
オイルシールは交換してあった。
クラッチ自体は、計測するまでもなく寿命だった。いずれにせよ、このエンジンは降ろす必要があったわけだ。それにしても、テンショナーのベアリングといい、このクラッチといい、新品に交換したはずなのに寿命は短い。
あと、ダンパースプリングが面白いことになっていた。
指で簡単に回る。摩耗している部分があった。クラッチが滑る寸前どころか、破壊する寸前だったと言える。
メーカーはEXEDYで、旧名称は「大金製作所」。1995年に社名が変わったとのことだが、刻印されるマークは変更されない。
以上でメタルが逝ったとされる18万キロ走行のF6Aの解析はおしまい。タイミングベルトテンショナーのベアリングが悪かったという唖然とするようなオチだった。このエンジンを頂戴するのもなんなので、先日元オーナーに返却された。
今回の不具合解析から得られる教訓は、信じられるのは自分の目と腕だけということだ。もちろん「自分の目」の中には、「信頼の置けるメカニックの選択」ということも含まれている。