シリンダーヘッドの燃焼室側とシリンダーブロック

 シリンダーヘッドの燃焼室側を見ていく。



 特段問題は無い。バルブの焼け方にはエンジン個体差があるため、あまり気にしてもしょうがない。



 シリンダーブロックを見る。



 シリンダー内壁には錆など発生していない。もし油膜が切れていれば絶対に錆びているはずだ。



 カーボンの付着の多いピストンの頭。が、エンジン個体差があるため、あまり気にしてもしょうがない。



 ヘッドガスケット。抜けているといったような問題は確認できなかった。





 私も色々なエンジンを散々分解してきたが、エンジン内部に錆があったのは、雨ざらしになっていたエンジン、粉末式消火器をかけたエンジンぐらいだ。クーラントが漏れたエンジンも分解したことがあるが、分解した時期が早かったためか錆は確認できなかった。錆が発生していない、つまり油膜はちゃんと残っている。
 これらの結果からいえることは、普通に使う上では「ドライスタート」という言葉は意味をなさないということだ。「ドライスタート」とは、油膜が切れた状態でエンジンを始動させること。「半年ぶりにエンジンをかけてみました〜」的な動画に対して、「エンジンのことを知らないみたいですね」みたいなコメントをよく見かける。これは「油膜が切れた状態でエンジンを始動させるなんて、エンジンを壊すようなものだ」という意味なのだが、エンジンを知らないのはどちらだと言いたくなる。半年で油膜が切れることなどあり得ない。