クーラントラインの様子

 本レポートの目的は、クーラントのゴムホースの劣化度合いの検証だが、その前に金属部分のクーラントラインの様子をみていく。まず注目するのは、シリンダーブロックにある、冷やされたクーラントが戻ってくる部分だ。矢印の部分にある。



 矢印の部品をはずすと、シリンダーブロックの中にあるクーラントラインが見えてくる。



 はずしてみた。シリンダーブロック内に、ダークマターが見える。



 上記の矢印の部品の内側。これまたダークマターが堆積している。



 次に、金属パイプを見ていく。このパイプは、エンジンルームからよく見えるパイプ。ミッションの上を通っているやつだ。右下の写真では、片側にゴムホースがついている。



 ゴムホースを外した上で、ゴムホース側(シリンダーブロックに近い側)をみると、パイプの内側が錆びている。



 ゴムホースとは反対側はそんなに錆びていない。



 実はこの錆、パイプが錆びているのではなく、シリンダーブロックから発生した錆がパイプの内側に付着しているだけなのだ。


 今度は別の金属パイプを見ていく。これはエンジンを降ろした状態になったらよく見えるパイプ。フロアの下を通っているパイプだ。口が燃料タンク後方にある。



 ラジエターで冷やされる前のクーラントが通る方のパイプ。錆は付着していない。



 逆にラジエターで冷やされてシリンダーブロックへと向かうクーラントが通る方のパイプ。錆が付着している。ダークマターはここまでやってくるのだ。



 このダークマターの正体は、完全に抜けきっていないクーラント。その状態で10年放置されるとこんなに錆が発生してしまうのだ。エンジンを保管する場合は、クーラントだけはよく抜いておこう。

 今回はこれでおしまい。次回は、走行7.8万キロ・放置10年のゴムホースの劣化状態を新品のゴムホースと比較しながら検証していく。