ロードスターのレストア事業

 ロードスターのレストア事業について出展があるとのことで期待して行ってみた。





 が、何の部品が再生産されるのかといった特段の説明はなく、レストア後の車が展示してあるだけだった。もう少し詳しい話とか、苦労話、ここだけの話なんてことが聞けるのかと思っていただけに、出展自体はなんか期待はずれ。



 レストア事業の目玉の1つ、リアウインドウが塩ビのソフトトップ。それにしても、こんなに透明だったっけ?? 当時はもう少し曇っていたような気もする。



 これのどこがすごいかというと、昔のシボを再現した点だ。現在はNDのロードスターのシボしか入手不可能だったのだが、これは当時を再現している。



 車のレストアをやってくれるし、また復刻した部品のみも売ってくれる。復刻部品のリストをみると、クリップ・ワッシャ・ボルトといった解体車からいくらでも取って来れそうなものが多数ある。自分で作れそうなものもある。一見すると普通でも、特殊なものもあるとのことなのだが、どうでもいいんじゃないの?という部品も多い。
 一方で「これ欠品だったの?」と驚かされる部品もある。例えばキャリパ。キャリパ本体はともかく、ガイドピンのブーツぐらい供給されないとダメでしょう。



 ロードスターと比較すると、AZ−1の場合は皆さんが定期的に新品部品を購入することも手伝って、欠品部品はまだ少ない方だといえる。致命的なフロントガラスも、これまた皆さんの努力で社外品ができた。メーカーに頼り切るあり方と、自らの道は自らの努力で切り開くあり方のどちらが、真の趣味の車としてふさわしいのだろうか。と、格好のいいことを書きつつも、やはりボルト1本からメーカーが出してくれる部品が潤沢にある方が安心できるのであった。



 この手の話で良く持ち出されるのが、イギリス車の部品供給体制。「イギリスには自動車文化があるから部品が供給される」ということを良く聞くが、これは間違い。自動車会社と部品メーカー間の契約の甘さ、即ち「部品メーカーは自動車メーカーもしくは特定の部品商のみ以外に販売してはいけない」という契約が甘かったことが、結果的にユーザー側にメリットをもたらしているだけにすぎない。この点が甘かったから、ユーザーが部品を部品メーカーから直接的に入手することがいまだにできている。また車種や自動車メーカーを超えて共通した部品もたくさんあったため、コピー品も出回りやすかった。さらにはイギリスの自動車産業の崩壊により、存続会社自体がなくなった場合、コピーしても実質的に文句を言われない状況にあるため、ニーズがある以上部品は作り続けられる。他にも理由がいろいろあるのだが、語れば長くなるのでいつの日か機会のある時のネタにしよう。

 今回はこれでおしまい。次回は最終回、会場に集まった車を中心に紹介する。