レストア中のルーチェロータリークーペ、その1

 マツダのレストアプロジェクトの第三弾が、ルーチェロータリークーペだ。



 このような説明パネルとともに、エンジンのみ搭載された状態で展示されていた。ルーチェロータリークーペはご存じの通り、FFのロータリー車であり、専用の13Aエンジンが搭載されている車だ。FFのロータリー車には、前回紹介したNSU Ro80がある。



 早速エンジンを見てみよう。実は今回展示されていた状態が、一番いろいろ見やすい。ロータリーのFF化という点ではNSU Ro80に後れを取ったが、量産ロータリーエンジンの大排気量化という点ではルーチェロータリークーペに軍配が上がる。
 NSU Ro80のエンジンと比較して欲しい。見た目で大きく違うのはデスビの数。ルーチェロータリークーペが2つなのに対し、NSU Ro80は1つ。ライセンスを受けた側、与えた側で進化の方向が異なるのが面白い。



 補器が余り付いていないことも加味しなければならないが、ルーチェロータリークーペの方がエンジンルームの見栄えがすっきりしている。マツダ初のFFロータリーとはいえ、他の10Aロータリーの量産実績が、このような形にしたのだろう。



 エンジンには13Aの文字が。なおNSUからライセンスを受けたとのプレートなり表示は見られなかった。



 ミッションの下にブーツが見えるのがFFの証拠。



 そして「車速”非”感応型パワーステアリング」。通常のパワステは車速が早くなるとパワステの効きが弱くなるが、この車は車速に関係無く効き続ける。そのため、高速ではふらつきやすくなるのだ。



 次頁では、キャビンの内部を見ていく。