ギア本体

 取り出したギア本体。長い方がインプットシャフト側。つまりクラッチが付いている側のギアである。AZ−1のギアの場合、通常は短い方のカウンターシャフト側のギアに異常が見られる。



 インプットシャフトから見ていく。



 よくみると、シンクロの矢印部分が若干丸まっている。本当にちょっとした異常なのだが、今までいろいろなミッションを見てきた中で、ここに異常が見られたのは初めてだ。従って、「大きな異常」と言えるかもしれない。



 次はカウンターシャフト側を見ていく。



 一速側のギアのシンクロ部分には、それほど大きな異常は見られない。金色のシンクロナイザーリングも異常なし。



 一方、二速側。これは明らかに異常である。完全に欠けている。



 なお、ここで1つの矛盾が生じる。このミッションは一速が入らなかったのだ。にもかかわらず、二速のギアに明らかな異常が見られる。二速が入りにくいのであれば矛盾はないのだが・・・この点は、まだまだ多くの異常なミッションを見ていかないと、うまく説明できるだけの傾向が見えてこないのかもしれない。


 シンクロナイザーハブの内歯。異常なミッションに見られる程度の摩耗があった。



 次頁では、オイル漏れの原因の1つと考えられる、オイルシールを見ていく。