ランニングプロト

 今回運び込まれた3台の内、唯一自走可能であったのがこの車である。屋根の部分がつぶされてしまって、見る影もない。
 このランニングプロトはリトラクタブルヘッドライトであったが、ライトの開き方が非常におもしろいものであった。通常のリトラはロードスターのように蓋がパコッとあいてライトが出るのだが、このランニングプロトは潜水艦の潜望鏡のように、ライトのユニットが上へせり出すのだ。しかも左右に揺れながら、ゆっくりと上がってくる。いかにも試作車のようでおもしろかった。
 室内はAZ−1よりも狭く、特に助手席は足の置き場がないほどで、助手席に関してはとても実用的なものではなかった。