取り付け&試運転

 まぁ、付くように設計したのだから付いてあたりまえなのだが、この収まり感には感動すら覚える。なにしろ数日前まで妄想世界の存在だった物が現実に現れて、アタマの中で考えた通りにクルマに搭載できちゃっているのだ。これだからモノ作りはやめられない。
 後ろセンター側のボルトを回転基準として、ちゃんと3.5°調整できる。周辺物に干渉しないよう入念に仮組みした後、シートを載せる。チラ見えする肉盗みの三角孔が良い。



 バケットシートのフチとセンターコンソールが干渉するため、3.5°いっぱいにはオフセットできなかったが、まずまずの角度だ。きちんとステアリングに正対しているのが写真で判るだろうか。ちなみに社外シートをここまで純正ライクに搭載できるレールは、過去から現在まで市場には1種類も存在しない。



 バケットシートを社外シートレールで装着した場合、片側ロックのため左右(ヨーイング)方向にガタが出る。またスライド機構そのものにもアソビがあるので、前後(ピッチング)方向にも動いてしまう。このため車体からのインフォメーションを正しく受けられず、また運転操作中に身体が動いてしまうため、とても疲れた。ヒップポイントもそれほど低くなかったので、サンシェード装着時には頭髪が触ってしまっていた。
 これに比較してスペシャルブラケットは、ガタがなくなった事もあり前後方向の剛性感が格段に向上した。また純正の調整ノッチは細かく、理想的なドラポジが取れるようになったのも嬉しい。リクライニング角度が違うため一概に比較できないが、ヒップポイントは意図した通り限界まで低く、純正シートから座面クッションを撤去したような感じだ。



 ひとつ嬉しい誤算として、左右および上下方向は剛性感がありつつ絶妙のしなりがあって、ハーシュネスはカドが取れて丸くなった。しかし当たりが優しくなった反面情報量は増えて、まるでタイヤが路面に押し付けられて歪むヒステリシスやストラットが伸縮する様までが伝わってくるような感覚。嫌な感じではなく、車体にガタなく固定されているお陰で、自分の身体の筋肉が伸縮するような自然なインフォメーションだ。気になっていたシートシェルのねじれ感やミシミシ音も解消し、運転がすこぶる楽しい!
 小生は胴長短足(…汗)なので、うちのAZ−1は現在かなりのイタポジになっている。しかしその気になればシートを起こすことも可能なように設計してあるので、今後のセッティングも更に楽しめるだろう。

※本品の加工データは保存してあるので、ご希望があれば少量を製作して実費にてお分けすることが可能です。当ホームページの管理人さまを通してご連絡ください。

※本品は車検非対応です。
2015.06.21 わたべ☆ゆう