疑似沿面スパークプラグでエンジンが動くか検証する

 このプラグを使ってエンジンが動くか検証してみた。しかも最悪条件とするため、F6A NA用の出力の小さいコイルに交換して実験を行った。下の写真で、左の大きいコイルがAZ−1純正である。



 出力差を比較したところ。左が方が火花がよく飛んでいることがわかる。弱いとは言え、火花が飛ぶ距離は約2cmほどあり、4mmのプラグギャップを火花が飛ぶのは造作もない事だ。



 写真に写すことはできないが、プラグを疑似沿面スパークプラグに交換し、コイルも交換して、エンジンをかけてみた。すると何の問題も無く、普通に動いてしまった。パワーアップ感・パワーダウン感などは感じられなかった。



 この現実をどう表現すればいいのだろうか。疑似沿面スパークプラグは、プラグメーカーの解説を見る限りでは、明らかに壊れたプラグである。が、普通にエンジンがかかってしまうのだ。プラグギャップについても1.1mmだなんだと言われるが、なせ1.1mmでないといけないのかわからない。プラグが摩耗していると言って、売り上げ本数を増やすための大義名分としか思えない。
 仮に疑似沿面スパークプラグでよいとした場合、接地電極は何の意味があるのかわからない。あるとすれば、何らかのトラブルで中心電極が折損した際、シリンダー内に落ち込まないようにするためのストッパーの役目しかないのではと思ってしまう。となると、360度マルチスパークプラグの中心電極が壊れると、シリンダー内に落ちてしまうリスクがある。

 というわけで、360度マルチスパークプラグには興味があるが、試すにはカネがもったいないという人は、このようなプラグを自作してみてはいかがだろうか。


 360度マルチスパークプラグについてはこれでおしまい。次回は、話がプラグからイグニッションコイルに話が変わる。現在の国産ガソリンエンジン車は、恐らく全てダイレクトイグニッションコイルが使われている。ダイレクトイグニッションコイルって、本当に効果があるのだろうか。その点を検証していく。