カムカバー、カムシャフトの状態

 貴重な銀ヘッドのカムカバ−。



 オイル焼けはこんなもんでしょう。



 ここでカムシャフトを取り出したところ・・・矢印部分に何やらスラッジのようなものが付着した。



 カムカバー側。矢印部分を触ってみると、段差があった。明らかに摩耗しているのだ。



 驚くべきはカムシャフト。一見普通に見えるが・・・



 カム山を見ると、段付き摩耗が発生しているとともに、鋳物の巣まで露出していた。





 これら一連の部分が摩耗していたことは、ロッカーアームなどの誤組み付けなどが発生していない限り、走行距離20万キロのエンジンでも見られなかった現象である。念のためカム山などの採寸を行った結果、マニュアルに記される使用限界を超えていた。恐らく摩耗を促進させた犯人は、カムシャフトに付着したスラッジのような物だと推察される。



 まずはジャーナルの直径。1番がタイミングベルト側。IN側の摩耗が激しい。ただし、使用限界までには何とか至っていない。

カムシャフトのジャーナル1-11-22-12-23-13-24-14-2
基準値(IN、EX共通)35.725〜35.75035.725〜35.75035.925〜35.95035.925〜35.95036.125〜36.15036.125〜36.15036.325〜36.35036.325〜36.350
IN側実測値35.7035.7035.9035.8936.1036.1236.2836.28
EX側実測値35.7935.7735.9135.8936.1036.0936.3236.29
それぞれの使用限度は基準値の最小値より0.05mm少ない。例えば1-1なら35.675となる。



【参考】21万キロ走行のエンジンの計測値

カムシャフトのジャーナル1-11-22-12-23-13-24-14-2
基準値(IN、EX共通)35.725〜35.75035.725〜35.75035.925〜35.95035.925〜35.95036.125〜36.15036.125〜36.15036.325〜36.35036.325〜36.350
IN側実測値35.7535.7535.9635.9636.1636.1536.3536.34
EX側実測値35.7535.7535.9535.9436.1536.1536.3436.33
それぞれの使用限度は基準値の最小値より0.05mm少ない。例えば1-1なら35.675となる。



【参考】16万5千キロ走行のエンジンの計測値

カムシャフトのジャーナル1-11-22-12-23-13-24-14-2
基準値(IN、EX共通)35.725〜35.75035.725〜35.75035.925〜35.95035.925〜35.95036.125〜36.15036.125〜36.15036.325〜36.35036.325〜36.350
IN側実測値35.7535.7635.9335.9336.1436.1436.3336.32
EX側実測値35.7535.7535.9335.9336.1436.1436.3336.33
それぞれの使用限度は基準値の最小値より0.05mm少ない。例えば1-1なら35.675となる。


【参考】8万4千キロ走行のエンジンの計測値

カムシャフトのジャーナル1-11-22-12-23-13-24-14-2
基準値(IN、EX共通)35.725〜35.75035.725〜35.75035.925〜35.95035.925〜35.95036.125〜36.15036.125〜36.15036.325〜36.35036.325〜36.350
IN側実測値35.7235.7435.9235.9436.1336.1836.3136.34
EX側実測値35.7335.7335.9235.9336.1436.1536.3236.33
それぞれの使用限度は基準値の最小値より0.05mm少ない。例えば1-1なら35.675となる。




カムの高さ。基準値並びに他のエンジンと比較しても摩耗が激しく、使用限度を超えて摩耗している。

カムの高さ1-11-22-12-23-13-2
IN側基準値30.15130.15130.15130.15130.15130.151
IN側実測値30.0130.0130.0230.0630.0030.00
EX側基準値30.16730.16730.16730.16730.16730.167
EX側実測値30.0430.0030.0130.0330.0330.01

使用限度はINが30.050、EXが30.060。


【参考】21万キロ走行のエンジンの計測値

カムの高さ1-11-22-12-23-13-2
IN側基準値30.15130.15130.15130.15130.15130.151
IN側実測値30.1030.1030.1030.1030.1030.10
EX側基準値30.16730.16730.16730.16730.16730.167
EX側実測値30.1530.1530.1530.1530.1530.15

使用限度はINが30.050、EXが30.060。



【参考】16万5千キロ走行のエンジンの計測値

カムの高さ1-11-22-12-23-13-2
IN側基準値30.15130.15130.15130.15130.15130.151
IN側実測値30.1530.1530.1530.1530.1530.15
EX側基準値30.16730.16730.16730.16730.16730.167
EX側実測値30.1030.1130.1230.1230.1230.12

使用限度はINが30.050、EXが30.060。



【参考】8万4千キロ走行のエンジンの計測値

カムの高さ1-11-22-12-23-13-2
IN側基準値30.15130.15130.15130.15130.15130.151
IN側実測値30.1330.1330.1330.1330.1330.13
EX側基準値30.16730.16730.16730.16730.16730.167
EX側実測値30.1530.1530.1530.1530.1530.15

使用限度はINが30.050、EXが30.060。





 またまた参考ながら、今回のエンジンのカムで、一段高くなっている部分=摩耗していないカムの端の部分を計測したところ、正常値だった。IN側1-1のみ記載する。

カムの高さ1-11-2
IN側基準値30.15130.151
摩耗している部分の実測値30.0130.01
摩耗していない部分(端の部分)実測値30.1930.17

使用限度はINが30.050。



 次頁では、ロッカーアーム等を中心に見ていく。