インジェクター噴射信号発生機を使って評価してみる

 作ったインジェクター噴射信号発生機(ケースに収納済み)を割り込ませ、実際のエンジン作動状態を模擬した条件でインジェクターをテストしてみた。



 噴射量は最小にセットし、2分間連続して噴射した。



 その結果、異常品の噴射量は明らかに少ないという結果が得られた。これは開弁率100%の実験では得られなかった結果だ。

正常品 異常品


 噴射量を少しだけ増やしてみた。同様に2分間連続して噴射した。



 すると、異常品は噴射量が少ないことが確認できた。

正常品 異常品


 やはり、開弁率を変えないと見えてこない部分がある。なお開弁率を変え際の飛距離は、開弁率100%の時と変わらない(写真はないけど)。


 設定した開弁率の妥当性を検証してみた。つまり、実車を模擬できている条件だと言えるかどうかだ。
 この装置は3000rpmで回っている4ストロークエンジンを想定している。話を簡単にするため、3000rpm定常で時速60kmで走っているとする。AZ−1なら、4速ミッションに入れた時、3000rpmで時速60kmとなる。
 こんな条件で走行したら、実感として燃費は25km/L程度となる。となると1時間で消費するガソリンの量は60km÷25km/L=2.4Lとなる。インジェクターは3本あるので、1本あたり800ccのガソリンを吹く。1本のインジェクターが1分あたりに噴射するガソリン量は、800cc÷60分=13cc/分となる。

 一番上の実験では、正常品は2分で18ccだった。9cc/分となることから、噴射量はちょっと少ないが、負荷の軽い条件が再現できていると言える。
 一方2番目の実験では、30cc/分の噴射量となり、燃費は約8km/Lに相当する。相当の高負荷を再現しているといえる。



 ここで、高速度で撮影した、インジェクターから噴射される瞬間を撮影した写真を紹介する。解像度が悪くわかりにくいが、ぴゅっと一瞬だけ飛び出ていることがわかるだろうか。

飛び出す前 飛び出しはじめ 飛び出し終わり