慣熟走行&1回目の充電

 特殊な車ゆえ、本格的に運転する前に慣熟走行があった。各スイッチやペダル類の説明は次回以降のレポートで紹介する。
 様子を見るため、ゆっくりアクセルを踏み込んだ。普通のガソリン自動車に比べるとレスポンスはかなり悪く、なかなか前に進まない。が、これはこれで正しい。というのも、ブレーキの効きが悪いため、普通の車の感覚でスピードが出てしまったら、止まりきれない人が続出するためだ。正確に言うと、この車のブレーキにはマスターバックが付いていないので現代の車では考えられないほどの踏力が必要なため、ブレーキの効きが悪いと感じてしまうだけなのだが・・・マスターバックなしの車に乗り慣れていない人は(=ほとんど全ての人)、自転車で走るくらいのスピードで走行しないと恐怖を感じるのではないだろうか。
 また実質AT状態の車なのだが、MT車のように坂道発進の技量も求められる。普通のAT車が坂道で一旦停車し再度発進する場合、サイドブレーキを解除しても車は下降したりしない。が、Nissan New Mobility Conceptは、MT車のように動いてしまうのだ。ATしか乗ったことのない人は怖いと思う。

 なお、アクセルを急に踏んでも、急発進防止装置(&節電制御)が付いているため、猛ダッシュすることはない。感覚的には、急にアクセルを踏み込んだら普通の車の加速感になる。
 アクセルとブレーキの感覚がわかったところで、早速島内の周回を始めた。その前に、借りた直後の状態(走行距離やバッテリー残量)を確認しておく。
 基本的なメーターの表示は下の写真の通り。走行可能距離の右側に見えるのは時計である。またボタンをいじることで、走行可能距離がオドメーターになったりトリップメーターになったりする。借り受けた直後のバッテリーは満タンだ。日産の説明によると、満タンで約100km走行可能とのこと。



 これはオドメーター表示。借り受け直後は1689kmであった。






 この状態で島を一周してみた。ちょくちょく寄り道もしたが、ざっくり14km。が、バッテリー残量は、メーター読みで約60%となってしまった。



 念のため、オドメーター表示。



 あと35km走行可能との表示が出た。が、これは前の使用者の使い方によって変わってくるため、レンタカーとしてはあまりあてにならないとのこと。



 島を一周したところで、昼飯の時間になったため、もう一カ所の充電スポットがある「島キッチン」というレストランに向かった(2周目に入った)。島キッチンへ到着した際のメーターを撮影した。なお走行距離と時計の時間を使って平均車速を求めても正確ではない。途中でちんたらしたりしたからだ。
 トリップメータは18.2km。島1周ちょっとがこの距離になる。



 車としての総走行距離は1707km。



 走行可能距離は25kmになった。スタート地点に戻ってきたときの走行可能距離は35kmだった。実際は4kmしか走っていないため、6kmほどの乖離が出たことになる。



 バッテリー残量がほぼ半分になったことから、充電を開始した。




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充電器設置場所

 充電開始直後のバッテリー残量は52%。



 充電スポットには、専用の電気メーターが付いていたので、実際どのくらい電気を食うのかカウントしてみることにした。下の写真は充電開始直後の値。1241kwhであった。



 島キッチンで食事後、車にもどるとバッテリー残量が82%まで回復した。



 ここで改めて電気メーターを見てみると、1242.8kwhを示していた。



 島キッチンで充電を開始したのが12:05。充電を終了したのが13:01だったので、約一時間ほど充電したことになる。よってこの充電器は約1.8kw/h(電気コンロ2台分)の電気を食っていることになる。
 一方、充電残量が1時間で52%から82%に復旧したことから、Nissan New Mobility Conceptのバッテリー容量は、5kwh程度と考えられる。



 今回はこれでおしまい。次回は、バッテリー切れ直前になり命からがら帰還した件&スイッチ類の詳細をお伝えする。