書き換え型ドライビングレコーダーの欠点

 今回紹介したドライビングレコーダーは、双方とも書き換え型だ。即ち、SDHCカードのメモリがいっぱいになったら古い動画を消去してから新たに記録する方式。これには大きな欠点があった。


 まずメモリに余裕があり、動画を消去することなく追記する場合。実は追記する間、約2秒の「空白」が生じる。これはSDHCカード本体の書き換えスピードに依存することなく発生する。即ち作動速度の速いSDHCカードを使っても改善しないのだ。
 1つの動画ファイルの時間は、双方のドライビングレコーダーとも「2分、5分、15分」の中から選べる。2秒の「空白」は動画ファイルの長さに関係なくほぼ同じ時間生じる。もし2秒の間に事故が起こり、その記録が残らなかったらドライビングレコーダーとしての意味がない。2秒の空白の頻発を回避するため、私は1つの動画ファイルの時間を15分に設定している。これだったら、15分に一回の割合で2秒の空白ができるだけになる。

 2秒の長さはどれほどのものか、実際に動画で見てみよう。交差点を右折するシーンだ。交通事故が最も発生しやすい場所が交差点。そんな大事な場所において、2秒の「空白」が実際に生じてしまった。このタイミングで事故を起こして動画が記録できていなかったら全く役に立たない。2秒の空白は大きいのだ。



 最悪なのは、メモリに余裕がなく、古い動画を消去してから追記する場合だ。タイムスタンプに注目しておいて欲しい。1つの動画ファイルを15分に設定すると、なんと約30秒以上もの「空白」が生じてしまう。これでは全く使い物にならない。





 というわけで個人的なお勧めの使い方は、動画作成時間を15分にし、なるべく容量の大きなSDHCカードを使い、定期的にフォーマットする(画像を削除する)ことだろう。動画作成時間が15分の場合、動画の容量は約800MBになる。32GBのSDHCカードだと、単純計算で10時間の撮影が可能となり、動画消去の手間が省ける。2秒の空白時間が発生する回数は、10時間の内で40回だ。


 ドライビングレコーダーがあれば事故を起こさないということはない。その点は十分に注意して運転したい。