ミュージアムツアーの意義

 ミュージアムツアーの意義・目的は人それぞれだと思う。ミュージアムツアーの主催側からすると、その意義や目的は「展示してあるAZ-1の死守」である。一度展示からはずれると、復活させるのは難しいからだ。しかもAZ-1が生産されていた時代はバブル絶頂期でもあるため競争が激しい。初代ロードスターが絶賛を浴び、ルマンで優勝し、さらには3ローターのユーノスコスモが出現したり、いまだに人気の衰えを知らないFDのRX-7がいる超激戦区で、いずれの車もマツダの歴史を語る上でなくてはならない車ばかりである。厳しい椅子取りゲームで勝ち残る車は果たしてどれか、何をどうすれば勝ち残れるのか? 今回はこの点を考えてみたい。



 ミュージアム改装とともに新調されたパンフレットをみていこう。ミュージアム入場時にもらえるやつだ。



 中をあけるとこうなる。



 さらに中をあけて広げると・・・



 超激戦区の中にAZ-1が生き残っていた。パンフレットでの激戦ぶりは、上述の展示車両における激戦の比ではない。というのもパンフレットでは期間が1980年〜2000年の20年間に拡大されている上、カーオブザイヤーをとった車が2台もいるからである。何のエポックもなく、販売台数もガタガタだったAZ-1がパンフレット上で生き残っている事実は、ほとんど奇跡といっていい。





 なお、パンフレットの新調にともなってAZ-1がたままた掲載されたわけではない。改装前のパンフレットからAZ-1は掲載されており、今回も激戦を勝ち抜いて死守したのである。下の写真は1世代前のパンフレットだ。一部分ではあるが、AZ-1が載っている。



 奇跡はいかにして起こせるのか、また次に消える車はどれなのか、次頁で考えていきたい。