エンジン外観

 エンジンはエキマニやインマニが付いていない状態でやってきた。つまりエンジン本体のみやってきたのだ。



 タイミングベルトは74000km時点で交換済み。分解前の走行距離は10万キロを確実に超えているエンジンである。またタイミングベルト交換時にカムカバーからのオイル漏れを防ぐため液体ガスケットが塗られたようだ。このことから少なくともカムカバーははぐったと推定される。



 プラグ周り。オイルでどろどろである。



 このエンジンで最も特徴的なのがここ。タイミングベルトカバーに筋が入っているが、これはプラスチック製のタイミングベルトが溶けた跡なのだ。ここにはオイルクーラーとスロットルボディーをと結ぶ、金属製のウオーターラインがついているのだ。タイミングベルトカバーの材質はポリプロピレン。軟化温度を考えると、150℃を超える高温が長時間続いたか、さらに高温になった状態を短時間経験したかのいずれかだ。



 エキマニ側は一部溶けかけている。相当の熱がかかったと推測される。この状態の意味するところは、このエンジンはオーバーヒートした可能性が高いということだ。このエンジンの元オーナーはオーバーヒートさせたことがないとのことなので、前の前のオーナーがオーバーヒートさせた可能性が高い。念のため書いておくと、ガスケットが抜ける直前にオーバーヒートしたのではない。



 タイミングベルトカバーを外した。



 ウオーターポンプの接続部から、若干水が漏れたような痕跡がある。



 さらにはずすと、オイルが広範囲にわたってにじみ出たような痕跡があった。が、これは液体ガスケットを塗る前の痕跡、つまり液体ガスケットを塗る際にちゃんと掃除しなかったのではないかと想像される。またカムシャフトのオイルシールの色が茶色なので、一度打ち替えていることがわかる。



 次頁より、いよいよエンジンを分解していく。