日本自動車研究所の電気自動車、C・ta、その2

 前述の通り、C・taは徹底した軽量化が図られている。どういうメリットがあるかというと、軽量化により電気自動車の難点である走行距離の確保ができるのだ。
 最も特徴的なのがキャビン。



 電気自動車と聞くと巨大なバッテリーを連想してしまうのだが、C・taのバッテリーはシートの下に入っているだけ。これだけバッテリーが小さくても、車体の軽量化により走行性能と走行距離が確保できる。



 一人乗りのタウンユースをコンセプトとしているため、最高速度は重視していない。そのため、シートが前に寄っている分、フロント部分は普通の車と比較して風の抵抗を受けやすいような構造になっている。



 タウンユースということで、後ろは荷物置き場だ。結構なスペースが確保されている。展示車両ではなにやらベールにくるまれた物が置いてあったが、これは計測器だそうだ。



 空気抵抗はしょうがないとして、軽量化の他にもころがり抵抗を減らすような工夫もなされている。このタイヤ、エコラン用のタイヤだそうだ。ブレーキローターも細い。ブレーキはエネルギー回生を多用する(停止しようとするエネルギーをバッテリーの充電に使う)ため小さ目でいいのだそうだ。



 で、最後にネタバレを。下の写真はC・taの予稿集の一部なのだが・・・



 中に「記号Sはスポーツタイプの軽自動車」という記述がある。



 よくよく聞くと、スポーツタイプの軽自動車とはAZ−1なんだそうだ。下の写真はC・taと比較したグラフ。ちなみに「ハイトワゴンタイプの軽自動車」とはワゴンRとのこと。



 20年近くの時を経てもなおAZ−1が表と裏で暗躍し、日本の自動車技術の学術的価値向上に大きく貢献している状況が楽しくてしょうがない。