ガルウイングドライバーの互換性

 あと興味がもたれる点は、同じガルウイングのドライバーでもお互いの車に上手く乗ることができるかという点である。表題の「ガルウイングドライバーの互換性」とはこういう意味だ。
 まず、AZ−1のドライバーがSERAに乗り込む場合。この場合はほとんど問題なかった。SERAのサイドシルは普通の車と同じであり、AZ−1のように高くなっていない。またドアの開閉もAZ−1のように吊革をもって降ろすということなく、いたって普通の車感覚であった。逆に降りる場合だが、これはAZ−1と比較して若干違和感があった。というのは、SERAの場合ドアが斜め前に開くので、降りようとしたときドアが目の前にあるのだ。AZ−1と同じ感覚で降りようとしたら、頭をぶつけそうになった。以上のことから総合的に判断すると、SERAの場合は普通の車に限りなく近い乗降感をもったガルウイング車と言えるだろう。
 一方、SERAのドライバーがAZ−1に乗り込む場合はどうだろうか。この場合は大いに問題があった。まず乗り込む時だが、サイドシルが高いため足を上に上げる必要がある。そのために乗りにくい。さらにバケットシートであること、室内が極端に狭いこと、吊革の位置が分からないのでドアをスムーズに閉められないということもあって、かなり違和感があったようだ。逆に降りる場合だが、これも違和感がありあり。バケットシートからケツが抜けない。
 結論だが、AZ−1のオーナーはSERAに問題なく乗り込めるが、その逆の場合は慣れが必要であるということになる。同じガルウイング車の比較からしても、AZ−1は特異な存在であると言わざるを得ない。